本物の醤油を選びたいと思っても、「丸大豆?本醸造?天然醸造?」といった言葉に戸惑った経験はありませんか?
醤油は毎日の料理に欠かせない調味料だからこそ本当に安心できて、素材の味を引き立ててくれる本物を選びたいもの。
でもラベルの見た目だけでは違いがわかりづらいのが現実です。
この記事では、スーパーで見かける「本醸造」や「天然醸造」「丸大豆使用」といった表示の意味をわかりやすく解説。本物の醤油を見分けるための5つのチェックポイントもご紹介します。
この記事を読めばなんとなく選ぶ醤油から卒業して、味・安全性・製法にこだわった本物の醤油を選べるようになりますよ。
本物の醤油を選ぶ3つのポイント
まずは本物の醤油を選ぶために押さえておきたい基本のポイントを3つご紹介します。
これらを意識するだけで、どの醤油を選べばよいか迷わずに済みます。
この3つがそろっていれば、味・香り・安全性のバランスがとれた本物の醤油といえます。
では、次の章からそれぞれの特徴と見極めポイントを詳しく解説していきますね。
醤油は何からできているの?
醤油の基本的な材料は、「大豆・小麦・塩」の3つです。
これらのシンプルな原料を発酵・熟成させることで、醤油独特の旨味・コク・香りが生まれます。
そして、同じ材料でもどのような原料を使うか、どうやって発酵させるかによって、出来上がる味わいには大きな違いが出てきます。
特に重要なのが大豆の種類です。
次の章では丸大豆と脱脂加工大豆の違いと、それぞれが味に与える影響について詳しく見ていきましょう。
丸大豆 と 脱脂加工大豆 – どこが違う?
丸大豆とは?
丸大豆は、大豆をまるごとそのまま使用したもの。
油分を含んでいるため、醤油にまろやかなコクと豊かな旨味が生まれます。
特に発酵の過程で複雑な風味が育つため、風味に奥行きのある醤油に仕上がるのが特徴です。
●メリット:コクがあり、まろやかで深い味わい
●デメリット:コストが高く、発酵に時間がかかる
脱脂加工大豆とは?
一方の脱脂加工大豆は、大豆から油を絞ったあとの残りかすを加工した原料です。
豆腐や食用油の製造過程で出た副産物として使われることが多く、コストを抑えて大量生産できるのが特徴です。
ただし油分がないぶん風味はすっきりと軽くなり、深いコクはあまり期待できません。
●メリット:安価で大量生産に適している
●デメリット:コクや香りが弱く、味に深みが出にくい

丸大豆の方が価格は高めですが、本物の味を楽しみたい方には丸大豆使用の醤油が断然おすすめです!
丸大豆と脱脂加工大豆の違いが味に与える影響
丸大豆の方が良いのはわかったけど、実際にどう違うの?と感じた方もいるかもしれません。
ここでは風味や香り使い方など、丸大豆と脱脂加工大豆の違いを表で整理してみましょう。
項目 | 丸大豆使用 | 脱脂加工大豆使用 |
---|---|---|
風味 | コクが深く、複雑な味わい | すっきりと軽い味わい |
香り | 豊かで香ばしい | 香りが弱く、印象に残りにくい |
料理用途 | 刺身・冷奴・煮物などにおすすめ | 焼き物・炒め物・ドレッシング向き |
価格 | 高価 | 安価 |
丸大豆使用の醤油は、素材の味を引き立てる本物の調味料として刺身や冷奴、煮物などにぴったりです。
一方、脱脂加工大豆の醤油は軽やかな味わいなので、焼き物や炒め物など加熱料理に使うと良さを活かせます。

本物の味を求めるなら、やっぱり丸大豆使用の醤油がおすすめ!
風味豊かでまろやかな味わいが、いつもの料理をワンランクアップさせてくれますよ。
本醸造を選ぶ理由 – なぜ「本物の醤油」なのか?

醤油を選ぶときに本醸造という言葉を見かけることはありませんか?でも普通の醤油と何が違うの?と疑問に思う方も多いはず。
この章では本醸造の特徴と、他の製法との違いについてわかりやすく解説していきます。
本醸造とは?
本醸造(ほんじょうぞう)とは昔ながらの製法で、自然の力によってじっくりと発酵・熟成させて作る醤油のこと。
丸大豆や小麦、塩などのシンプルな原材料だけを使い、添加物に頼らず素材の旨味を引き出すのが特徴です。
半年〜1年以上の時間をかけて発酵・熟成されるため、味も香りも深くなります。
本醸造とその他の醤油の違い
製法の違いによって、醤油の味や品質には大きな差が出ます。下の表で比較してみましょう。
製法名 | 特徴 | 使用原料 | 味の傾向 |
---|---|---|---|
本醸造 | 自然発酵・熟成で旨味を引き出す | 丸大豆または脱脂加工大豆、小麦、塩 | コクがあり豊かな風味 |
混合醸造 | 本醸造にアミノ酸液などを一部加える | 醤油 + アミノ酸液など | ややまろやかだが風味は控えめ |
混合(アミノ酸液) | アミノ酸液などを主に使って短時間製造 | アミノ酸液 + 食塩 | すっきりした軽い味で香りが弱い |
本醸造の醤油は、発酵と熟成によって自然に生まれた旨味と香りが魅力。
一方混合醸造やアミノ酸液主体の醤油は、短期間で作られるため風味に深みがなく、添加物に頼っていることもあります。
本物の醤油を選ぶなら、本醸造を基本にするのが第一歩です。パッケージの表示を見て、本醸造の文字があるかどうかを確認してみてくださいね。
なぜ本醸造が良いのか? – 自然の力が生む本物の味
本醸造の醤油は、なぜそんなに評価されているの?
その理由は、自然の力によって丁寧に時間をかけて作られているからです。
ここでは、本醸造が選ばれる理由を4つに分けてご紹介します。
本醸造の醤油は、自然発酵の過程で旨味成分がじっくりと引き出され、コクと奥行きのある味わいに仕上がります。
特に刺身や冷奴などの繊細な料理に使うと、その違いがよくわかります。
本醸造では発酵による天然のうま味成分を活かすため、アミノ酸などの化学調味料を加える必要がありません。
保存料なども使わない製品が多く、安心して使えるのも魅力です。
長期間の発酵・熟成によって生まれる香りは、本醸造ならでは。
料理に少し垂らすだけで、ふわっと立ち上がる芳醇な香りが食欲をそそります。
本醸造は何代にもわたって受け継がれてきた伝統製法を守る蔵元が多く、つくり手のこだわりが詰まっています。
自然と共に生きるように、時間と手間を惜しまない姿勢が本物の味を支えているのです。

時間をかけて丁寧に作られた醤油には、素材の味を引き立てる力があります。
まずはラベルに本醸造とあるかどうか、ぜひチェックしてみてくださいね。
天然醸造の魅力と選び方のコツ

天然醸造と聞くと、なんとなく体に良さそうなイメージがあるかもしれません。でもその価値は、自然の力に委ねてじっくり時間をかける製法にあります。
本醸造との違いや天然醸造ならではの魅力を知っておくと、さらに納得して選べるようになりますよ。
本醸造との違い:じっくりゆっくり育む天然の力
本醸造も自然の発酵を活かした製法ですが、天然醸造は四季の温度変化にまかせて1年以上熟成させるのが特徴です。
気温の変化に応じて微生物がゆっくり働くことで、深くまろやかな味わいが育ちます。

天然醸造の醤油がゆっくり育つ環境は「自然の恵みそのもの」。急がないからこそ生まれる深い味わいがあります。
なぜ天然醸造の醤油が特別なのか?
天然醸造は手間もコストもかかるため、今では希少な存在です。
でもその分、雑味がなく自然な甘みやうま味がしっかりと感じられます。
木桶仕込みでさらに深まる風味
木桶仕込みは、さらに希少な伝統製法。
木桶に住み着いた酵母や乳酸菌の働きで、ステンレス製タンクでは出せない独特の風味が醸し出されます。
ただし維持に手間がかかるため、木桶を使っている蔵元はごくわずか。
見かけたら、ぜひ一度試してみてください!
天然醸造の醤油を選ぶ際のチェックポイント
天然醸造の醤油を選ぶときは、以下の点を確認してみましょう。
パッケージには天然醸造・木桶仕込み・熟成○年といった情報が書かれていることもあります。
まずはラベルをしっかり読むクセをつけると、自分に合った醤油が見つけやすくなりますよ。
天然醸造で本物の醤油を楽しもう
天然醸造の醤油は、自然と伝統の力で生まれた本物の調味料です。
時間をかけてじっくり育てられたその味は、料理の味わいを一段と豊かにしてくれます。
ラベルの情報や製法を意識して選べば、きっと違いが感じられるはずです。
本物の醤油を見極めるチェックポイント

ここまで丸大豆・本醸造・天然醸造といった本物の醤油に欠かせない要素を紹介してきました。
でも実際にお店で選ぶとき、どれを選べばいいの?と迷ってしまいますよね。
以下の表に、本物の醤油を選ぶときに注目すべき5つのポイントをまとめました。
この5つを押さえて選べば、安心して本物の醤油を手に取ることができますよ。
1. 原材料表示をチェックする – 丸大豆と国産素材を選ぼう
まず見るべきは、パッケージ裏の原材料表示です。
おすすめは丸大豆と記載されたもの。脱脂加工大豆は油を搾った後の副産物なので、どうしても風味が薄くなりがち。
丸大豆はコクやまろやかさが出やすく、味に深みが出ます。加えて国産と書かれていれば、産地が明確で安心感も高まります。
2. 製法をチェック:本醸造か?混合醸造に要注意!
次に注目したいのが製法です。
本醸造と書かれていれば、時間をかけて自然の力で発酵・熟成された証拠です。
一方、混合醸造やアミノ酸液入りの場合は、短期間で人工的に味を整えている可能性が高く、風味の深さに差が出ます。
3. 天然醸造かどうか?木桶仕込みならさらに高評価
さらにこだわりたい方は、天然醸造と表示された醤油を選びましょう。
時間をかけて四季の温度変化に委ねる製法は、まろやかなコクと自然なうま味を育みます。
また木桶仕込みと書かれていればさらに希少で、昔ながらの深い味わいが楽しめますよ。
4. 添加物の有無を確認:無添加に惑わされないで
無添加と書かれていても、実はアミノ酸やカラメル色素などが入っている場合も。
原材料表示の欄を自分の目で確認するのが確実です。
余計な添加物がないか、ラベルの裏をじっくり見てみましょう。
5. 信頼できる産地やメーカーを選ぼう
醤油は作り手によって味や品質に大きな差が出ます。
伝統製法を守る蔵元や、素材選びからこだわっているメーカーの製品なら安心です。
製法やこだわりを詳しく説明している商品は、それだけで信頼の目安になります。
本物の醤油選びで料理の楽しさを広げよう
これまでご紹介した本物の醤油の見極めポイントを押さえて選べるようになると、日々の料理がもっと楽しくなります。
素材の味を引き立てる本物の醤油を使えばいつもの煮物や焼き物、冷奴や刺身など定番の一品もぐっと味に深みが出ます。
自分で選んだこだわりの調味料で作る料理は、味だけでなく満足感も格別です。
まずは気になる一本を見つけて、ぜひあなたの食卓でも試してみてください。毎日の料理が、もっと豊かで幸せな時間になりますよ。

醤油は料理の「縁の下の力持ち」。選ぶ醤油を変えるだけで、料理の仕上がりが驚くほど変わります。ぜひラベルの裏側をのぞいてみてくださいね!
あなたに合う醤油はどのタイプ?種類ごとの特徴や塩分量を比較した記事も参考にどうぞ
まとめ:本物の醤油で料理をもっと美味しく
丸大豆・本醸造・天然醸造といった本物の醤油を選ぶことは、調味料に対する意識を少し変えるだけで、料理全体の味わいを大きく変えてくれる選択です。
ラベルの表だけでなく、裏面の原材料表示や製法の記載に目を向けることが、本物を見極める第一歩。
本物の醤油は自然の力と伝統の技によってじっくり育まれた、奥深い味と香りが魅力です。
ぜひ今日から、醤油選びに少しだけこだわってみてください。
いつもの料理が、驚くほど豊かで味わい深い一皿に変わるはずです。
あなたの食卓に、伝統が息づく本物の醤油のおいしさが広がりますように。