「三杯酢」「二杯酢」「甘酢」……合わせ酢って、名前も多いし何が違うの?って思ったことありませんか?
「どれを使えば失敗しないの?」「酢の物には結局どれが合うの?」
そんなふうに迷ってしまう方のために、この記事では
など合わせ酢の基本から、すぐに役立つ実践的な使い方までをわかりやすくお届けします。
市販のドレッシングに頼らず、無添加でやさしい味わいの手作り合わせ酢を使えば、きっと、いつもの食卓がちょっと楽しくなりますよ。
合わせ酢とは?
合わせ酢とはお酢に砂糖やしょうゆ、だし、ごまなどを加えて、料理に使いやすく整えた味付き酢のことです。
そのままだとツンと酸っぱいお酢も、ちょっとしたひと工夫で驚くほどやさしい味わいに変わります。酢の物やマリネ、和え物、揚げ物のたれなど、いろんな料理に応用できる万能選手なんですよ。

自家製の合わせ酢なら添加物の心配もなく、自分好みの味に調整できるのがうれしいところです。
代表的なものには、三杯酢(二杯酢+砂糖)や甘酢、土佐酢、ごま酢、南蛮酢などがあります。
それぞれ味わいや使い方が少しずつ違うので、料理によって使い分けるのがコツです。「いつも酢の物がうまく決まらない…」なんてときも、合わせ酢をひと工夫すれば味がピタッと決まりますよ。
次の章では代表的な合わせ酢の種類と、それぞれに合う使い方をくわしくご紹介しますね。
合わせ酢の種類と使い方

お酢にほかの調味料を加えると酸っぱさがやわらいで、料理にも取り入れやすくなります。
ちょっと甘みを加えたり、しょうゆを足したり、だしをきかせたり…。
そのバリエーションの豊かさこそが、合わせ酢の魅力なんです。

ちょっとしたひと工夫で、料理に深みが出るのが合わせ酢のいいところ。
ここではよく使われる合わせ酢の種類と、その特徴やおすすめの使い方を紹介していきますね。
「この料理にはどの酢が合うかな?」と悩んだときの参考にしてください。
気になる合わせ酢の使い方を、すぐにチェックできます👇
甘酢(あまず)
やさしい甘さとほどよい酸味で、子どもから大人まで食べやすいのが甘酢のいいところ。
酢豚や南蛮漬け、ちらし寿司など、メイン料理にも大活躍する合わせ酢です。
酸味がまろやかなので揚げ物にかければコクのある一品に、寿司飯にすればほんのり甘く上品な味に仕上がります。家庭にひとつあると重宝する、定番の合わせ酢です。
二杯酢(にはいず)
シンプルなのに奥が深い――それが二杯酢の魅力です。
酢としょうゆだけで作れるから冷蔵庫にあるものでサッと用意できて、素材の味を引き立ててくれます。
ちょっと箸休めがほしいな…というときにぴったりな、さっぱり系の合わせ酢です。
三杯酢(さんばいず)
酸味・塩気・甘みのバランスがちょうどよく、どんな料理にも合わせやすいのが三杯酢。
迷ったらまずこれ!というくらい、出番が多い定番です。
野菜にも魚にも肉にも合う万能さが、三杯酢の最大の魅力。冷菜にも温菜にも使える頼れる一本です。
土佐酢(とさず)
三杯酢にかつおだしを加えたのが土佐酢です。
だしの旨みが加わることで、まろやかさと深みがぐんとアップ。和食との相性も抜群です。
家庭でも「ちょっと料理上手に見える」味に仕上げたいとき、土佐酢はとても頼もしい存在です。
ごま酢
すりごまの香ばしさとコクがぎゅっと詰まったごま酢。
淡白な野菜や豆腐料理にしっかりとしたアクセントを加えてくれます。
酸味・塩気・甘み+ごまのコクで、ひと味違う合わせ酢に仕上がります。
南蛮酢(なんばんず)
甘酸っぱさの中に、ほんのりピリッと唐辛子。
揚げ物をじゅわっと漬けて染み込ませるだけで、食欲そそる一品に早変わりです。
食欲がない日でも、不思議と箸が進んじゃう味です。
「揚げる→漬ける」だけで完成なので、作り置きおかずにもぴったりですよ。
ピクルス液
洋風合わせ酢の代表といえばこれ。
野菜の彩りや歯ごたえを残しつつ、甘酸っぱくて爽やかな味わいが楽しめます。
冷蔵庫で一晩漬けるだけで、彩りも味もキュッと引き締まります。酸味がマイルドなので、酢が苦手な方やお子さんにもおすすめです。常備菜にも◎。
合わせ酢を使った具体的なレシピ5選

「どの合わせ酢をどう使えばいいの?」という方のために、実際に家庭で手軽に作れるレシピを5つご紹介します。
どれも特別な材料は不要。合わせ酢の特徴に合わせて選ぶだけで、驚くほどおいしく仕上がりますよ。
お好みのレシピをクリックすると、該当の作り方にジャンプできます。
●三杯酢で作る「アボカドとえびのさっぱり和え」
プリプリのえびと、とろけるアボカドを三杯酢でさっぱりと。
火を使わずに作れるので、あと一品ほしいときにぴったりです。
材料(2人分)
- アボカド:1個
- むきえび:100g
- 玉ねぎ(薄切り):1/4個
- 三杯酢(酢1:醤油1:みりん1):大さじ3
- 三杯酢(大さじ3を作る場合)
- 酢 … 大さじ1
- 醤油 … 大さじ1
- 砂糖 … 大さじ1
- ※ 基本比率〈酢1:醤油1:砂糖1〉の三杯酢。
- 酸味が強いときは、お酢を少し減らしたり砂糖を増やして調整してOK!
- 三杯酢(大さじ3を作る場合)
作り方
- アボカドは半分に切って種を取り、ひと口大にカット。
- むきえびは塩ゆでして冷水で冷やし、水気を切る。
- 玉ねぎを薄切りにして水にさらし、辛味を取る。
- ボウルに三杯酢、アボカド、えび、玉ねぎを入れて軽く混ぜる。
- 冷蔵庫で10分ほど冷やしてから盛り付けて完成。
●甘酢で作る「鶏肉の甘酢あん」
外はカリッ、中はジューシーな鶏肉にとろ~り甘酢あんが相性抜群!
お弁当にもおすすめのメインおかずです。
材料(2人分)
- 鶏もも肉:1枚(200g)
- 塩・こしょう:少々
- 片栗粉:適量
- 甘酢(酢3:砂糖2:塩少々):大さじ5
- 甘酢(大さじ5を作る場合)
- 酢 … 大さじ3
- 砂糖 … 大さじ2
- 塩 … ひとつまみ
- ※ 基本は〈酢3:砂糖2〉の配合。
- 甘めが好きな方は、砂糖を小さじ1ほど足しても◎
- 甘酢(大さじ5を作る場合)
- にんじん・玉ねぎ:各50g
作り方
- 鶏もも肉を一口大に切り、塩・こしょうで下味をつける。片栗粉をまぶして揚げる。
- にんじんと玉ねぎを細切りにして炒め、甘酢を加えて煮立たせる。
- 揚げた鶏肉を甘酢あんに絡めて完成。
●南蛮酢で作る「アジの南蛮漬け」
揚げたアジをたっぷりの野菜と一緒に、南蛮酢にじゅわっと漬けるだけ。
冷めてもおいしく、作り置きにも便利な一品です。
材料(2人分)
- アジ(小型):3尾
- 小麦粉:適量
- 玉ねぎ:1/2個
- にんじん:1/4本
- 南蛮酢(酢1:醤油1:みりん1:唐辛子少々):大さじ6
- 南蛮酢(大さじ6を作る場合)
- 酢 … 大さじ2
- 醤油 … 大さじ2
- みりん … 大さじ2
- 唐辛子 … 少々(輪切りや丸ごとでもOK)
- ※ 基本は〈酢1:醤油1:みりん1〉の同量配合。
- 酸味を効かせたい場合は、酢の量をやや多めにしてもOK!
- 南蛮酢(大さじ6を作る場合)
作り方
- アジは内臓と頭を取り除き、きれいに洗って水気を拭く。小麦粉をまぶして油で揚げる。
- 玉ねぎとにんじんを細切りにする。
- 南蛮酢に揚げたアジと野菜を加え、30分以上漬け込んで完成。
●ごま酢で作る「温野菜のごま酢サラダ」
野菜がモリモリ食べられる副菜。
香ばしいごまの風味が加わるだけで、満足感のある一皿に。
材料(2人分)
- ブロッコリー:1/2株
- にんじん:1/2本
- ごま酢(酢1:醤油1:砂糖1:すりごま大さじ2):大さじ4
- ごま酢(大さじ4を作る場合)
- 酢 … 大さじ1
- しょうゆ … 大さじ1
- 砂糖 … 大さじ1
- すりごま … 大さじ2
- ※ 比率は〈酢1:しょうゆ1:砂糖1:ごま2〉で、香ばしさがしっかり感じられる仕上がりです。ごまを控えめにしたいときは、大さじ1〜1.5に減らしても◎
- すりたてを使うと風味がアップ!
- ごま酢(大さじ4を作る場合)
作り方
- ブロッコリーとにんじんを食べやすい大きさに切り、軽く塩ゆでする。
- ボウルにゆでた野菜とごま酢を加え、全体を和えるだけで完成。
●ピクルス液で作る「カラフル野菜のピクルス」
切って漬けるだけで完成!
冷蔵庫にある野菜で作れるので、彩りのいい常備菜としても重宝します。
材料
- 野菜(パプリカ、きゅうり、にんじんなど):各50g
- ピクルス液(酢1:水1):300ml
- ピクルス液は、酢と水を1:1の割合で合わせるのが基本。ここに砂糖と塩を加えることで、まろやかで食べやすい味わいになります。
- ピクルス液(約300mlを作る場合)
- 酢 … 150ml
- 水 … 150ml
- 砂糖 … 大さじ5(約60g)
- 塩 … 小さじ1(約6g)
- ※ 酢と水は〈1:1〉の基本比率。
- 砂糖は「やや甘め」の設定。甘さ控えめにしたい場合は大さじ4に調整可能。
- 酢のツンとした感じがやわらぎ、やさしい甘酸っぱさに。野菜が苦手な方にも◎
作り方
- 野菜をスティック状に切る。
- ピクルス液を鍋で温め、軽く沸騰させて冷ます。
- 野菜を保存容器に入れ、冷ましたピクルス液を注ぎ、冷蔵庫で一晩漬ければ完成。

使い切れない合わせ酢がある場合は、ドレッシングや炒め物の隠し味にもアレンジできます!
合わせ酢の保存が気になる方へ
手作りした合わせ酢は、どれくらい日持ちするの?保存容器は?そんな疑問にお答えする保存のコツを、別記事で詳しく紹介しています。こちらをチェック↓↓
酢の種類による味の違いと合わせ酢への活かし方
「同じ合わせ酢のレシピで作ったのに、なんだか味が違う…」
それ、もしかしたら酢の種類が原因かもしれません。
合わせ酢は、使う酢の個性によって仕上がりが大きく変わります。
ここでは代表的な酢の特徴と、それぞれに向いている合わせ酢の使い方をご紹介しますね。
■ 米酢(こめす)
クセが少なく、まろやかでやさしい酸味が特徴。
どんな料理にも合わせやすく、特に初心者さんにおすすめの酢です。
- おすすめの合わせ酢:甘酢・三杯酢・ごま酢など
- 特徴:味のバランスが取りやすく、失敗しにくい

はじめて合わせ酢を作るなら、まずは米酢からがおすすめです!
■ 穀物酢(こくもつす)
酸味がしっかり強めで、シャープな味わい。
料理にメリハリをつけたいときにぴったりです。
- おすすめの合わせ酢:二杯酢・南蛮酢など
- 特徴:酸味をキュッと効かせたいときに活躍

酢の物やさっぱり系の副菜に、よく合いますよ。
■ 黒酢(くろず)
熟成された深いコクと、独特のまろやかさが魅力。
中華風の合わせ酢や肉料理との相性がとてもいいです。
- おすすめの合わせ酢:甘酢・黒酢あん・南蛮酢(アレンジ)
- 特徴:コクのある甘酢あんや、炒め物のたれに◎

お酢が苦手な人でも「これはおいしい」と感じやすい酢です。
■ リンゴ酢
フルーティーでさわやかな酸味が特徴。
香りも軽やかなので、加熱せずそのまま使う料理に向いています。
- おすすめの合わせ酢:ピクルス液・サラダドレッシングなど
- 特徴:やさしい酸味で、お子さんにも食べやすい

フルーツやヨーグルトと合わせてもおいしいですよ!
同じレシピでも、酢を変えるだけで味の印象ががらりと変わります。料理の雰囲気や家族の好みに合わせて、使い分けてみてくださいね。
レシピに合った酢を選ぶと、味の完成度がグッと高まります!
ダイエットや健康志向の方向けの合わせ酢活用法
「合わせ酢って砂糖が多いから、なんとなく太りそう…」
そんなイメージ、ありませんか?
たしかに甘味を加えるものも多いですが、ちょっとした工夫でヘルシーに使うことができるんです。
ここでは健康を意識している方におすすめの使い方や、低カロリーで作るコツをご紹介します。
低カロリー合わせ酢の作り方
甘みを控えたいときは、砂糖を少し控えめにしてみましょう。
また、自然派甘味料に置き換えるのもおすすめです。
たとえば…
- ラカントやてんさい糖など、カロリー控えめな甘味料を使う
- 酢の種類を米酢や黒酢にして、まろやかさで甘さを補う
- だしやすりごまでコクや風味をプラスして、砂糖を減らしても満足感を出す
\こんな配合がおすすめ/
【酢1:醤油1:ラカント小さじ1 + だし小さじ1】
健康効果を活かす活用法
お酢は、ダイエットや体調管理にも心強い味方です。
- 食前に少量の酢をとることで、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できる
- 黒酢やリンゴ酢には、疲労回復や代謝アップに役立つ成分も豊富
- 三杯酢や甘酢をドレッシング代わりに使えば、減塩対策にも◎
炒め物や蒸し野菜にかけるだけで、無理なく健康サポートができます。

甘酢=太るではありません。素材と分量を見直せば、安心して使える万能調味料になるんです。
まとめ:合わせ酢を活用して毎日の料理をもっと楽しもう
合わせ酢は、酢に砂糖やしょうゆ、だしなどを加えるだけで簡単に作れる万能調味料です。
ほんの少しの工夫で
――いいことづくしなんです。
甘酢や三杯酢、南蛮酢など、定番の合わせ酢をいくつか覚えておくだけで、市販のたれやドレッシングに頼らず、家庭でもしっかり味が決まる料理が作れますよ。
まずは、基本の合わせ酢をひとつ試してみませんか?
自分好みに味を整える楽しさ、きっと感じてもらえるはずです。
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