お酢売り場でよく見かける「米酢」や「純米酢」。どちらもお米から作られているように思えますが、実は製造方法や使われる原料に違いがあります。
「どっちを選べばいいの?」「味や風味に違いがあるの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなお酢選びの疑問をスッキリ解消するために、米酢と純米酢の違いをわかりやすく解説し、それぞ
れの特徴やおすすめの使い方をご紹介します。
料理に合わせたお酢選びのヒントとしてぜひ参考にしてくださいね。
米酢とは?
米酢はその名の通り米を主な原料として作られるお酢です。
製造工程ではまずお米を発酵させてアルコールを作り、さらに酢酸菌で発酵させて酢にします。
市販されている米酢には醸造アルコールなどが使われることが多く、これはコストを抑えるための工夫です。
これらを加えることで一定の旨みや香りが出る一方、純米酢に比べると米の使用量は少なくなります。
また穀物酢に比べて酸味がまろやかで、ほどよいコクと香りが特徴。
ドレッシングや酢の物、酢飯など、さまざまな料理に使いやすいお酢です。
穀物酢は米以外のとうもろこしや小麦などを原料にしたお酢で、クセが少なくさっぱりとした味わいが特徴です。
米酢との違いや使い分けが気になる方は、こちらの記事「米酢と穀物酢の違いと使い分け」で詳しくご紹介しています。

原材料欄に「米、醸造アルコール」などと書かれているものはコストを抑えた製品。純米酢との違いは原料表示で簡単に見分けられます。
純米酢とは?
純米酢は米だけを原料にして発酵・熟成させたお酢のことを指します。
水以外に他の原料(酒かすや醸造アルコールなど)を使わず米のみで作られるのが特徴です。
- 米酢:米酢は米を主原料にして作られますが、米以外の穀物や添加物が含まれることもあります。
米の量に一定の基準が設けられており(酢1ℓに米40g以上使用)、この基準を満たしていれば米酢と表記されますが、米100%ではない場合もあります。 - 純米酢:一方、純米酢は米100%のみを使用し本物は添加物は一切含まれていません。米をたっぷりと使い自然な甘みとコクを引き出すため、伝統的な静置発酵法でじっくりと時間をかけて作られます。まろやかな風味が特徴で、和食の味をより引き立ててくれます。

純米酢という名前には、米100%で造られているという明確な意味があります。
米酢と純米酢の違いをもう少し詳しく解説

どちらも米を原料にしたお酢ですが、使われている原材料と製法に違いがあります。以下にわかりやすくまとめました。
項目 | 米酢 | 純米酢 |
---|---|---|
原材料 | 米+アルコールなど | 米のみ |
米の使用量 | 40g以上(1Lあたり) | 120g以上(1Lあたり) |
製法 | 速醸法が主流 (※)1 | 静置発酵法が多い (※)2 |
味わい | 酸味がやや強め | まろやかでコクがある |

米酢は幅広い意味を持つ言葉なので、パッケージに米酢と書かれていても、実際には米以外の原料が使われていることがあります。購入の際は原材料表示を確認するのが大切です。
(※)1米酢は速醸法が主で、醸造アルコールを使い短期間で発酵させるためさっぱりとした味わいに仕上がります。
(※)2純米酢の多くは静置発酵法という伝統的な製法で、じっくりと時間をかけて発酵・熟成されています。
この製法では酢酸菌を自然に浮かせたまま発酵させるため、まろやかで角のない味わいになるのが特徴です。
米酢と純米酢それぞれの味と香りの特徴
米酢と純米酢はどちらも「お米からできたお酢」ではありますが、その風味はまったくの別物です。
米酢の味と香り
市販の米酢は、クセが少なく、すっきりとした酸味が特徴です。
加熱処理や濾過によって香りが抑えられているため、料理の味を邪魔しにくく使いやすさに優れています。
ただし、原料や製法によっては酸味がやや強めに出ることもあり、ツンとした印象を持たれる方もいるかもしれません。
純米酢の味と香り
一方、純米酢は原料にお米だけを使い、伝統的な静置発酵法でゆっくり熟成させるため、旨み・甘み・酸味のバランスがとれたまろやかな味わいになります。
また、米の香りがしっかりと残っており、ふんわりとした自然な香ばしさが料理に奥行きを加えてくれます。
市販の米酢と比べて「コク」や「深み」があるのが大きな特徴です。
米酢と純米酢の味の違いは?
米酢と純米酢では、味や香りにも大きな違いがあります。
特に「酸味の強さ」と「香りのまろやかさ」が、料理の仕上がりに影響します。
米酢は酸味がシャープで軽い
米酢は醸造アルコールが加えられているため、酸味がストレートに立ちやすく軽やかな味わいになります。
さっぱりした料理や、すし酢・甘酢などに使われることが多いのが特徴です。
純米酢はまろやかでコクがある
純米酢は米だけでじっくり発酵させて作るため、酸味の角が取れていて、旨みやコクが感じられます。
まろやかで奥深い味わいなので、素材の味を引き立てる料理や、酢の物・煮物に向いています。

同じ酢でも料理の仕上がりに差が出るのは、この味の奥行きの違いが大きな理由です!
米酢と純米酢どっちを選ぶ?シーン別おすすめの使い方

「米酢と純米酢どちらを選べばいいの?」と迷ったら、料理との相性で使い分けるのがおすすめです。
さっぱり仕上げたいなら米酢
米酢は酸味がスッキリしているので、酢の物・南蛮漬け・すし酢・甘酢あんなど、さっぱりとした料理に向いています。
味を引き締めたいときにも便利です。
風味やコクを活かすなら純米酢
純米酢はまろやかでコクがあるので、煮物・ドレッシング・酢豚・漬物など、深みを出したい料理におすすめです。
素材の味を活かしながらやさしく味をまとめてくれます。
料理の種類 | 向いているお酢 | 特徴 |
---|---|---|
酢の物・南蛮漬け | 米酢 | 軽くてさっぱり、クセが少ない |
すし酢・甘酢 | 米酢 | 酸味が立つので調味料との相性◎ |
ドレッシング | 純米酢 | コクとまろやかさが加わる |
煮物・酢豚 | 純米酢 | 味に深みが出て仕上がりが上品に |
漬物 | 純米酢 | 旨みが染みやすく風味がよくなる |

毎日の料理では「さっぱり系=米酢」「コクを出したい=純米酢」と覚えておくと選びやすくなります。
まとめ
米酢と純米酢はどちらも「米から作られるお酢」ですが、使われている原材料や風味、製造方法に違いがあります。
- 米酢:米と醸造用アルコールで作られ、スッキリとした酸味が特徴
- 純米酢:米だけを使って作られ、コクやまろやかさが感じられる
どちらが良い・悪いではなく、料理との相性や求める風味に合わせて選ぶのがポイントです。
またより安心して使いたい方は、原材料表示や製法に注目して選ぶと納得のいく一本が見つかるはずです。
本物の味にこだわるなら…
伝統的な「静置発酵法」でじっくりと作られた純米酢は味わい深く風味豊か。調味料のクオリティにこだわりたい方におすすめです。
身近なお酢だからこそ、原材料や特徴を知っておくと料理の仕上がりが変わります。
今日からぜひ、用途に合わせたお酢選びを楽しんでみてくださいね。
↓↓お酢の種類や特徴など詳しく解説しています。お酢選びの参考にどうぞ。