オーガニック認証を取得するには?基準と取得までの道のり

オーガニック認証の道のり オーガニック

オーガニック食品が注目される中、「オーガニック認証を受けているものを選びたい」と思う方も多いのではないでしょうか?

でも、そもそもオーガニック認証とは何を意味するのか、どうやって取得されているのかは意外と知られていません。

この記事ではオーガニック認証の基準や取得プロセスを分かりやすくお伝えし、なぜその認証が大切なのかをご紹介します。

そもそもオーガニック認証って何?

オーガニック認証とは、特定の基準に基づいて栽培された作物や製品が「オーガニック」として認められるための証明です。

国内外でさまざまな認証機関が存在し、それぞれの基準は少しずつ異なりますが基本的な考え方は共通しています。

ポイントは以下の3つです

  • 化学農薬や合成肥料を使用しないこと
  • 環境に配慮した農法を実施していること
  • 遺伝子組み換え作物(GMO)を使用しないこと

この基準を満たした農作物や加工食品は、認証を取得し「オーガニック」の表示を行うことが許されています。

でも、これだけで終わりではありません。

オーガニック認証を取得するまでには長い道のりと多くの努力が必要なのです。

オーガニック認証の種類

オーガニックロゴ

オーガニック認証は、国や地域ごとに基準が異なるため、いくつかの種類があります。

代表的な認証マークを見たことがある方も多いかもしれませんが、それぞれの違いを理解することは、より安心して商品を選ぶための第一歩です。

  • USDA Organic(アメリカ)
    アメリカ農務省による認証で、世界的に有名。化学農薬や合成肥料、GMOを使用せず、さらに加工段階でも人工的な添加物を使用しないことが求められます。
  • EU Organic(ヨーロッパ)
    EUの厳しい基準をクリアした製品に付けられる認証マーク。生産から販売まで、トレーサビリティ(追跡可能性)をしっかりと管理していることが特徴です。
  • 有機JAS(日本)
    日本の農林水産省が定める認証で、国内のオーガニック農産物の基準を満たすものにのみ付けられます。海外の認証と違い、日本特有の気候や土壌条件に応じた基準も盛り込まれています。

オーガニック認証を取得するまでのステップ

オーガニック認証を取得するには、どんなステップを踏むのでしょうか?ここでは、そのプロセスを5つのステップでご紹介します。

オーガニック認証を取得するまでのステップ
  • ステップ1
    土壌をオーガニック基準に整える

    認証を取得するためには、まず土壌を整えることから始まります。通常、化学農薬や肥料を使っていた土壌を「クリーン」にするために、最低でも3年間は農薬や化学肥料を使わずに栽培を続けなければなりません。この期間を「転換期間」と呼びます。

  • ステップ2
    栽培や管理の記録を取る

    農作業のすべてを記録しどんな肥料を使ったか、病害虫対策をどう行ったかなど詳細なデータを提出する必要があります。認証機関は、これらの記録をもとに基準が守られているかを確認します。

  • ステップ3
    第三者による検査を受ける

    現地検査が行われ専門の検査員が畑や施設を訪れ、実際に基準を満たしているかをチェックします。この検査に合格しなければ認証は取得できません。

  • ステップ4
    認証書の取得

    検査に合格すると正式な認証書が発行されます。この書類をもとに、パッケージにオーガニックマークを表示することが許可されるのです。

  • ステップ5
    認証後の継続的な管理

    認証を取得した後も毎年の更新手続きや現地検査を受けなければならず、一度取得して終わりではありません。常に基準を守り続けることが求められるため、継続的な努力が必要です。

認証を取得する難しさとコスト

オーガニック認証を取得することは、簡単なことではありません。特に小規模な農家にとっては大きなコストや手間がかかるため、認証を取得できないケースも多いのが実情です。

費用面での負担
土壌の転換期間中は収穫量が減るため収入が減少しがちです。また認証の申請費用や検査費用も必要となり、負担が大きくなることが課題です。

知識や技術が求められる
オーガニック農法には特有の技術や知識が必要です。例えば、化学農薬を使えないため、病害虫対策を自然の方法で行わなければなりません。これには伝統的な農法や地域ごとの特性に合わせた工夫が求められます。

なぜオーガニック認証を取るのか?

オーガニックサラダ

ここまで読んで「それでもオーガニック認証を取得する意味はあるの?」と感じた方もいるかもしれません。

認証を受けることは単に「安全」を証明するだけでなく、生産者の努力と信念を伝える手段でもあります。

消費者にとっても、オーガニックマークは一つの安心材料。信頼性を確保するための大切な指標となるのです。

認証を受けずにオーガニック農業を行う農家も?

興味深いことに、認証をあえて取らずにオーガニック農法を実践している農家もいます。

理由はさまざまですが、認証コストの問題や書類手続きの煩雑さを避けたいというのが主な理由です。
こうした生産者は、地域での直接販売や信頼関係を重視し認証なしでも消費者に支持されています。

オーガニック認証の有無だけにとらわれず、生産者の姿勢や取り組みを理解することもよりよい食品選びのヒントになりますよ。

オーガニック認証を取得するまでの道のり:こだわりの証

認証を取得せずにオーガニック農業に取り組む農家がいる一方で、あえて認証を取得することを選ぶ生産者もいます。
その理由は「オーガニック」という言葉に確かな信頼を持ってもらい、消費者に安心して選んでもらいたいという強い思いからです。

オーガニック認証を取得することは単に表示の条件を満たすだけではなく、長年の努力とこだわりを形にした証でもあります。
認証を通じて自分たちのこだわりが形になり、消費者とつながることができるのは大きな喜びです。

消費者としても認証マークを見ると「どんな基準を満たしているのか」「どんな想いで作られたのか」といった背景を知るきっかけになりますよね。

こうした情報を知ることで、食卓に並ぶオーガニック食品の価値をより深く感じられるのではないでしょうか。

今後オーガニック製品を選ぶ際には、認証マークの意味や基準について少しでも思い出していただけると嬉しいです。

↓↓↓こちらの記事では有機とオーガニックの違いについて解説しています。ふと違いってなんだろ?と思われた方はぜひ読んでみてくださいね。

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