有機とオーガニックという言葉よく耳にしますよね。スーパーで商品を手に取った時や、カフェでメニューを見た時にもよく見かけるフレーズです。
でも、実際有機とオーガニックってどう違うのかご存知ですか?
私たちはできるだけ体に優しいものを選びたいと思いながらも、有機とオーガニックの違いについてはなんとなくで理解していることが多いかもしれません。
そこで今回はこの二つの言葉がどう違うのか、そしてどのようにして選べば良いのかをわかりやすくお伝えしていきます。
どちらも体に良さそうに見えるけど、実は知っておくと安心して選べるヒントがいっぱいです!
有機とオーガニックの基本的な意味
有機とオーガニックについて理解するためには、それぞれの言葉が何を意味するのかを知ることが大事です。
日本語の有機という言葉は、英語の「organic(オーガニック)」の直訳であり、基本的には同じ意味を持ちます。
しかし、農業や食品に関連する文脈で使われる場合、これらの言葉には特定の意味があります。
有機とは?
まず有機という言葉について考えてみましょう。有機とは化学肥料や農薬などを使用せず、自然のサイクルに基づいた農業を指します。
日本では「有機JAS」マークがその基準を満たす製品に付けられており、これは農林水産省によって定められた厳しい基準をクリアした製品にのみ与えられる認証です。
オーガニックとは?
オーガニックという言葉は、基本的には有機と同じ意味を持っています。主に海外で使用されている表現です。
オーガニック農法は同じく化学肥料や農薬を使用せず、自然環境に配慮した農業を意味します。
日本での規定は有機JASに従いますが、海外製品や輸入品では各国のオーガニック認証機関によって基準が決まっています。
それに基づいた製品がオーガニックとして認証されています。
何が違うのか?
有機とオーガニックは、どちらも自然に配慮した農業や製造方法で作られた食品という点で共通しています。
ここで疑問になるのは、有機とオーガニックはどのように違うのかということです。
実際のところ、これらは基本的に同じ意味を持つ言葉ですが使われる地域や基準が異なるだけです。
日本では「有機」という言葉が主に使われ、海外では「オーガニック」が一般的に使われているんだね。
言葉の使われ方とその背景
まず有機は日本国内で一般的に使われる用語で、オーガニックは国際的に使われる用語です。
日本では有機JASマークという形で、基準を満たす製品に有機マークが表示されます。
海外からの輸入品などにはオーガニックという言葉が使われることが多く、これらは必ずしも有機JAS規格に準じているわけではありません。
有機JASマークだよ
認証機関の違い
有機の場合日本の農林水産省が認めた機関によって、有機JAS規格に基づいた認証が行われます。
オーガニックについては、国や地域によって認証機関やその基準が異なります。
例えばアメリカではUSDAオーガニック、ヨーロッパではEUオーガニックといったように、各地域ごとに異なる認証があります。
アメリカのUSDAオーガニックマークだよ
こちらはヨーロッパのEUオーガニックマークだよ
なぜ有機・オーガニックが注目されるのか?
では、なぜ有機やオーガニックがここまで注目されるのでしょうか?
その理由の一つに環境への配慮があります。
有機農法は化学肥料や農薬の使用を抑えることで、土壌や水質の汚染を減少させ自然環境を保護する効果があります。
また、持続可能な農業を推進し将来的な食糧生産の安定にも寄与します。
もう一つの理由は、健康への関心です。化学農薬や化学肥料の残留物が少ない食品を選ぶことで、体にとってより安全な食生活を送ることができると考えられています。
特に子供や家族の健康を気遣う方々にとって、有機・オーガニック製品は重要な選択肢となっていますよ。
無添加と有機やオーガニックの違い
ここで少し混乱しやすいのが、無添加という言葉との違いです。よく無添加商品と有機・オーガニック商品を混同してしまう方も多いのではないでしょうか?
無添加と有機(オーガニック)は別物です。
無添加とは、化学的な添加物が使用されていないことを指しており、食品に保存料や着色料、甘味料などの人工的な物質が加えられていないことを意味します。
有機やオーガニックは、農薬や化学肥料をできるだけ使わずに栽培されたものを指します。
つまり無添加食品が必ずしもオーガニックとは限らず、逆にオーガニック食品が無添加であるとも限りません。
例えば有機栽培されたフルーツを使ったジャムでも、加工時に保存料や甘味料が加えられていれば、それは無添加食品とは言えません。
こちらの記事では無添加とオーガニックの違いをわかりやすく解説しているので、良かったら参考にしてくださいね↓↓
無農薬との違い
それともう一つ、有機やオーガニックという言葉を聞くと無農薬と同じだと思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際には少し違います。無農薬とは、栽培過程で農薬を一切使わないことを指します。
有機やオーガニックは、農薬を一切使わないというよりは、化学農薬を使わず自然由来の農薬を使うことが許可されている場合もあります。
なので有機・オーガニックが無農薬とは限らないというこを頭の片隅にでも覚えておいてくださいね。
有機やオーガニックの選び方ガイド
さて気になるのはどちらを選ぶべきかということですよね。
特に海外製品が多いオーガニック商品については、基準が異なるためどれが安心なのか迷うこともあるかもしれません。
そこで、ポイントを5つお伝えします。
- 日本国内製品なら有機JASマークを確認
- 海外製品なら信頼できるオーガニック認証を確認
- ラベルの裏をチェック
- 原材料の産地や生産者情報
- 価格と品質のバランス
1. 日本国内製品なら有機JASマークを確認
日本国内で販売されている有機食品は、有機JASマークがついているものを選びましょう。
このマークがついているものは、農薬や化学肥料を極力使用していない食品です。特に日本国内で栽培された野菜や果物には、このマークがついていることが多いです。
有機JAS認定とは何か?
有機と呼ばれるためには、日本では有機JAS法という法律に基づく厳しい基準をクリアしなければなりません。有機JAS認定は、農産物や加工食品に対して以下の基準を満たしていることを確認したうえで与えられる認定です。
有機JAS認定の主な基準
農薬や化学肥料を原則的に使用しない:栽培期間中は農薬や化学肥料の使用が厳しく制限されており、自然の方法で害虫や病気の対策を行います。
遺伝子組み換え技術を使用しない:遺伝子組み換え作物は有機JASでは認められていません。
土壌の管理:持続可能な農業を推進するために、土壌の健康を守ることが重視されます。
こうした厳しい基準をクリアした農産物や加工食品だけが、「有機JASマーク」を表示できるのです。このマークがついている商品を選ぶことで、安全性や信頼性の高い食品を手に取ることができます。
2. 海外製品なら信頼できるオーガニック認証を確認
輸入品などのオーガニック製品を選ぶ際には、その国のオーガニック認証を確認することが大切です。
例えば、アメリカ製品ならUSDAオーガニックマークがついているものを選ぶとよいでしょう。このマークは、アメリカのオーガニック基準を満たしていることを示しています。
オーガニックの基準は?
オーガニックという言葉は世界中で使われているため、その基準は国によって異なります。
たとえば、アメリカのオーガニック認定は「USDAオーガニック」という認証制度に基づいています。こちらも、日本の有機JASと同様に農薬や化学肥料の使用が制限されており、遺伝子組み換え作物も認められていません。
ヨーロッパでも「EUオーガニック」という認証があり、こちらも同様に厳しい基準を持っています。
つまりオーガニック食品を購入する際には、どの国の認証を受けているかを確認することが大切です。
輸入食品の場合は特に、オーガニック表記があってもその基準が異なる可能性があるため、ラベルをよく確認することが必要です。
3. 食品ラベルをチェック
また製品のラベルを確認することも忘れずに。
例えば有機と表示されていても、100%有機原材料でない場合もあります。食品の裏面に記載されている成分表示や、原材料の産地を確認することが大切です。
4.原材料の産地や生産者情報
原材料の産地や生産者の情報が明示されている製品は、透明性が高く信頼性も高いといえます。
また、地元で生産された有機食品を選ぶことも大切です。
地元の農産物は、新鮮さが保たれるだけでなく輸送にかかるエネルギーも削減できます。
さらに、地元経済を支えることにもつながり、地域社会全体にとってプラスの影響にもなりおすすめです。
5.価格と品質のバランス
有機・オーガニック製品は一般的に価格が高めですが、それは生産過程が手間暇をかけたものであるためです。
しかし、その価格に見合う価値があるかどうかは、個々の消費者がどれだけ健康や環境に配慮しているかによって判断されます。それと品質とのバランスを考えることも必要です。
高価な製品が必ずしも高品質であるとは限りません。価格だけでなく製品の背景や生産者の理念にも目を向けると、より良い選択ができるでしょう。
自分の生活スタイルや予算に合った製品を選ぶことが大事ですよ。
完全に無農薬の食品を選ぶためには?
有機食品は厳しい基準をクリアしているため、化学農薬や肥料がほとんど使われていないことが保証されていますが、天然由来の農薬が使用されることもあります。
そのため、「完全に無農薬」を求めている方には、少し違った選び方が必要です。
ポイントは3つです。
- 信頼できる生産者から直接購入
- 自然栽培や無農薬を取り扱う専門のショップを利用
- 自分で育てる
1. 信頼できる生産者から直接購入
信頼できる生産者から直接購入するのが最も確実な方法です。地元の農家や産直市場では、生産者と直接コミュニケーションを取ることができ、栽培方法や農薬の使用状況について詳しく聞くことができます。
また無農薬栽培に特化した農家や、自然栽培を行っている生産者から購入することで、より安心な食材を選ぶことができます。
2. 自然栽培や無農薬を取り扱う専門のショップを利用
自然栽培や無農薬と明示された商品を取り扱うオンラインショップや市場で、無農薬食品を探すことも一つの方法です。
オンラインショップでも、無農薬や自然栽培にこだわった商品を扱っている店舗があります。
これらのショップでは、生産者の情報や栽培方法について詳しく説明されていることが多く、購入前に安心して確認できるのが特徴です。
3. 自分で育てる
無農薬に強いこだわりがある方は、家庭菜園で自分で育てるという選択肢もあります。(スペースや時間の余裕などがあれば)
やはり自分で育てることで、どんな肥料や農薬が使われているのかを完全に把握でき、安心して食材を消費することができます。
完全に無農薬の食品を選びたい場合は、有機認証だけに頼るのではなく、信頼できる生産者やショップとのつながりを重視し、情報をしっかり確認することが大切です。
まとめ
有機食品とオーガニック食品の違いを理解することは、健康を意識した食品選びの第一歩です。
これからも安心して食事を楽しむために、有機やオーガニックといった言葉の本当の意味を知り、適切な選択をすることが大事です。
それぞれの違いを理解したうえで、日々の食卓に取り入れる食品を選びましょう。これからも健康を大切にしながら、美味しい食事を楽しんでくださいね。